医療・福祉の
「現場の今」
がわかるコラム

2024
09
UPDATE

介護福祉士と保育士は、どちらも福祉系の職業ですが、それぞれの資格や業務内容、年収、やりがい、職場・勤め先、待遇などには大きな違いがあります。

現在、日本では介護福祉士や保育士などの社会福祉関連の職業において人材不足が深刻化しています。この問題についても触れながら、介護福祉士と保育士の違いについて考えていきましょう。

介護福祉士とは、高齢者や身体障害者、知的障害者、精神障害者など、生活の自立が困難な人々を支援するための資格を持った専門職です。介護保険法に基づくサービスの提供や介護予防、福祉施設での介護、在宅介護など、幅広い業務を担当します。

保育士とは、幼児期における教育や保育に携わるための資格を持った専門職です。保育所や幼稚園、認定こども園、児童クラブなどで、子どもたちの保育や遊び、教育などを担当します。

介護福祉士と保育士の違いについて

介護福祉士と保育士は、どちらも福祉の現場で活躍する専門職ですが、以下のような違いがあります。

必要な資格

介護福祉士を目指すには、介護福祉士養成施設に通い、国家試験に合格する必要があります。

※令和8年度末までに養成施設を卒業する方は、卒業後5年間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができる。
※3年以上かつ540日以上の実務経験があり、「実務者研修」を修了するという方法もあります。

一方で保育士を目指すには保育士養成施設に通い、保育士資格認定試験に合格する必要があります。

※高卒者の場合でも、「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した方」に該当すれば、受験資格が得られます。

業務内容

介護福祉士の業務内容は、高齢者や身体障害者、知的障害者、精神障害者など、生活の自立が困難な人々を支援するためのサービスを提供することです。具体的には、身体介助や排泄介助、食事介助、移動支援、日常生活支援などの介助を通じて、その人らしい生活をするにはどのような課題があるかを分析し、生活全般にわたる最適な支援が求められます。

保育士の業務内容は、幼児期における教育や保育に携わることです。具体的には、子どもたちの遊びや運動、食事やトイレの介助、言葉の習得支援、社会性やコミュニケーション能力の育成などが求められます。

年収

介護福祉士の平均年収は、賞与を含めると400万円程度です。

出典:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

一方、保育士の平均年収は、約382万円程度です。

出典:令和3年賃金構造基本統計調査
※ただし、地域や職場によって差があります。

やりがい

介護福祉士のやりがいは、生活に課題を抱える人々の支援を通じて、役に立つという実感や、その人々との交流を通じて自ら成長できることです。
保育士のやりがいは、子どもたちと一緒に遊んだり、学んだりすることで、彼らの成長を見ることができることです。

職場・勤め先

介護福祉士は、介護施設や在宅介護、病院などで働くことができます。
一方、保育士は、保育所や幼稚園、認定こども園、児童クラブなどで働くことができます。

介護福祉士と保育士のダブルライセンスを取得するメリットは?

介護福祉士と保育士のダブルライセンスを持つことには多くのメリットがあります。

介護福祉士と保育士は、看護師と同様に社会にとって重要な職種であり、人材不足の問題も指摘されています。
ここでは、介護福祉士と保育士のダブルライセンスを取得するメリットについて詳しく解説していきます。

1. 就職の幅が広がる

介護福祉士と保育士のダブルライセンスを持つことで、就職の幅が広がります。例えば、介護施設や保育園のほか、障がい者支援施設や児童福祉施設、病院や訪問介護など、多様な職場で活躍することができ就職活動において優位に立つことができます。

2. 資格手当がもらえる

介護福祉士と保育士のダブルライセンスを持っていると、職場によっては資格手当がもらえる場合があります。資格手当は、資格を持っていることで会社から支給される手当で、収入アップにつながります。

3. 両方の分野の知識を活かせる

介護福祉士と保育士の両方の資格を持つことで、両分野の知識や技術を身につけることができます。

たとえば、高齢者や障がい者の方が施設内で保育活動に参加する場合や、保育園で子どもたちが祖父母やお年寄りの方と交流する場合には、両方の資格を持っていることでより質の高いサービスを提供することができます。

4. 将来的なスキルアップにつながる

介護福祉士と保育士のダブルライセンスを持つことはスキルアップにつながります。例えば、介護福祉士としての経験を積んだ後に保育士に転職する場合や、保育士としての経験を積んだ後に介護福祉士に転職する場合には、両方の資格を持っていることで有利になります。

また、将来的には、介護と保育の両方が必要とされる総合福祉施設や地域包括ケアシステムなど、新しい職種やサービスが登場する可能性があります。その際には、両方の資格を持つことが有利に働くかもしれません。

介護福祉士を目指す人は是非、京都医療福祉専門学校をご検討ください

京都医療福祉専門学校は介護福祉士養成課程だけでなく、心理系の授業も用意されているので、介護福祉士についての学びはもちろん、心理系の分野についても学ぶことができ、こころのケアができる介護福祉士を目指すことができます。また、就職支援にも力を入れており、学生の目線に立ったきめ細かいケアが特徴です。

さらに、京都医療福祉専門学校を卒業すると保育士の国家試験の受験が可能になり、ダブルライセンスを目指すことができます。

まとめ

介護福祉士と保育士のダブルライセンスは、子どもから高齢者までを総合的に支援することが求められる現代社会において、ニーズの高まりが期待される分野であるため、取得することで幅広い就職活動が可能になります。また、介護や保育の知識や技術が相互に影響し合うため、両方の資格を持つことで専門性が高まり、キャリアアップにつながる可能性もあります。

ぜひ本記事を参考に介護福祉士、保育士を目指してください。

介護福祉士を目指せる介護福祉メディカル科(昼間部)はこちら

RELATED ARTICLE

COLUMN
01

介護福祉士を取得するメリット・デメリット

高齢者を支える仕事

介護現場で重要な役割を担う介護福祉士の資格を取得することで、仕事の幅が広がったり、将来的なキャリアアップの可能性が高まるといったメリットがあります。 以下では、介護福祉士の資格取得に関するメリットとデメリットを紹介します。また、京都医療福祉専門学校についても詳しくご紹介していきます。 介護福祉士を目指す方はぜひ最後までご覧ください。 介護福祉士の資格を取得する方法 介護福祉士を目指すには、介護福祉

COLUMN
02

社会福祉士の将来性について

高齢者を支える仕事

社会福祉士は、相談援助の国家資格です。高齢者・障がい者・児童といった福祉分野はもちろんのこと、医療ソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカーとしても活躍でき、幅広い就職が目指せるのも特徴としてあげられます。 その一方で、ネット上において社会福祉士の将来性や取得の意義について懐疑的な記事やコメントを見たことがある人もいらっしゃると思います。そこで、この記事では社会福祉士の将来性や仕事の現状につい

COLUMN
03

介護福祉士の仕事って?

高齢者を支える仕事

  今後の活躍が期待されている、福祉関連の仕事の中で「介護福祉士」の仕事をご紹介します。   介護福祉士とは、高齢者や障がい者の方がその能力に応じて自立して日常生活を送れるよう、介護や生活援助を行う仕事です。 食事や入浴、排泄、衣服の着脱や移動など、利用者さんの生活全般にわたって必要な支援を行います。 また、散歩や買い物に一緒に出かけ支援をしたり、施設で行事やレクリエーションを実施したり、利用者の

カテゴリーからみる
KYOISEN JOURNAL