医療・福祉の
「現場の今」
がわかるコラム
福祉関係の施設で相談員の仕事に興味があるのなら、「社会福祉主事」の資格取得をおすすめします。
社会福祉主事を取得すると、福祉事務所や福祉施設で相談員や事務員として働くことが出来ます。
また公務員として福祉の相談支援の職種に就きたい際に社会福祉主事を取得していることが必須な場合もあり、様々な業務を担当できるようになります。
社会福祉主事とはどんな資格?
社会福祉主事は、社会福祉に関する資格の中でも最も古いものになります。
公務員として、都道府県や市の福祉事務所や福祉施設などで働くことができる「任用資格」です。 社会福祉士は国家資格であるため、国家試験に合格しなければ取得できませんが、社会福祉主事は任用資格であるため、社会福祉士と比べると簡単に取得することができます。
また、福祉や介護の仕事に携わりながら、公務員として働くことができるため、就職の幅を広げるために、社会福祉主事を取得することは珍しくありません。
都道府県や市の福祉事務所には、社会福祉主事を必ず配置する義務があります(町村は任意設置とされている)。厚生労働省によると、令和4年4月現在、全国の福祉事務所は1,250ヶ所、そのうち都道府県が205、市は999ヶ所となっています。
任用資格とは?
任用資格とは、「特定の職業や職位に就く場合、取得が必須となる資格」を指します。
社会福祉主事の場合、公務員として福祉事務所で働く際に、取得が必須となります。社会福祉主事の「主事」とは、公的機関、法人、団体などにおける事務担当者のことを意味します。
「行政分野における主な任用資格」
・社会教育主事
・社会福祉主事
・児童指導員
・児童福祉司
・児童心理司
・児童の遊びを指導する者(かつての児童厚生員は、この任用資格に置き換えられる。)
・老人福祉指導主事
・知的障害者福祉司
・身体障害者福祉司
・精神保健福祉相談員
・査察指導員
・家庭相談員
・福祉活動専門員
・食品衛生監視員
・食品衛生管理者
・環境衛生監視員
・環境衛生指導員
・家庭用品衛生監視員
・薬事監視員
・狂犬病予防員
・毒物劇物監視員
・栄養指導員
・普及指導員
・林業普及指導員
・水産業普及指導員
・司書
・司書教諭
・学芸員
・児童自立支援専門員
・児童生活支援員
・母子指導員
・母子自立支援員
・心理判定員
・生活支援相談員
(参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%BB%E7%94%A8%E8%B3%87%E6%A0%BC)
社会福祉主事が働く場所と仕事内容
■公務員として「社会福祉主事」として働く場合
行政(都道府県や市)の・福祉施設・福祉事務所・福祉相談所(身体障害者更生相談所・知的障害者更生相談所・児童相談所など・・)
まず、社会福祉主事だけでなく、地方公務員の試験に合格することが必須になります。市役所などで勤務した場合は配置換えなどもあり、長期間、社会福祉主事として働き続けることは難しい場合もあります。
仕事の内容としては、地域の福祉の窓口として、
・生活保護
・児童福祉
・ひとり親家庭
・高齢者
・障がいのある人などの相談支援を行います。
相談内容に応じて他の職種や関係機関などと連携し業務を進めることもあります。例えば、高齢者関係なら地域包括ケアセンターの社会福祉士、障がい者関係なら医療機関の精神保健福祉士、児童福祉なら児童相談所の児童福祉士など・・。
地域の福祉に関する、医療、福祉、教育、介護の様々な問題と向き合い、支援していきます。
■民間の福祉施設・福祉事務所で生活相談員・ソーシャルワーカーとして働く場合
○児童施設
○障がい者の施設
○高齢者施設
仕事内容としては、上記と大きく変わりませんが公務員だからこそ働ける公的な場所もあります。
社会福祉主事の取得方法
社会福祉主事の資格を取得する際には、さまざまなルートが考えられます。特定の試験に合格する必要はありませんが、所定のルートを経由する必要があるため、事前に社会福祉主事を取得するための流れを把握しておく必要があります。
以下では、社会福祉主事の取得方法について解説します。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html)
①大学などで指定科目を履修して卒業
大学などで社会福祉に関する科目を3科目以上修めて、卒業した場合に社会福祉主事の資格を取得できます。福祉系の大学に通う際には、履修する科目を計画的に選択することがポイントです。
②通信で学ぶ方法
通信教育での取得が可能です。 スクーリングや通信学習で資格取得できる通信教育は、今現在、福祉職として働きながら社会福祉主事を取得したい人には負担が少ないでしょう。
③指定の養成機関(専門学校)で条件を満たす
指定養成機関(専門学校)に進学して、必要な学習時間・科目数を満たすことでも社会福祉主事の資格を取得できます。
具体的には22科目、1,500時間の学習を終えることで、社会福祉主事の資格取得できます。全国に30校ほどあり、介護福祉士や保育士など他の国家資格と併せて取得できる2~3年制の養成機関(専門学校)が多いです。
④都道府県などの講習会を受講する
都道府県などが開催する講習会を受講する形でも、社会福祉主事の資格取得が可能です。講習会を受講する形で資格取得を目指す場合、19科目、279時間をかけて勉強します。
⑤社会福祉士、精神保健福祉士などを取得する
社会福祉士や精神保健福祉士など、関連資格を取得することでも社会福祉主事の資格取得が可能です。
社会福祉士と精神保健福祉士はいずれも国家資格であるため、取得のためには国家試験の受験資格を満たす必要があります。
社会福祉主事の資格は資格証明書が発行できない
社会福祉主事は任用資格であるため、国や自治体が資格証明書を発行することはありません。条件を満たして資格を取得した場合には、資格取得の条件を満たしていることが分かる大学の成績証明書や卒業証明書を、就職先に提出します。
社会福祉主事の資格を取得するメリット
給与が良い
社会福祉主事は、地方自治体の「一般職」または「福祉職」として採用されます。給料は令和4年の地方公務員給与実態調査結果(総務省)では、地方公務員福祉職の年収は約547万円程度。
一般的な社会福祉の仕事よりも高い給与をもらえる可能性が高いです。公務員の平均給与は、一般企業で働く福祉関係の職員と比較すると、高額な水準になっている場合が多いです。また、社会福祉主事はキャリアを積んでいくことで、査察指導員として働く人もいます。査察指導員になることで、さらに給与が高まるため、高待遇な環境で仕事ができます。
(参考:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/r03_kyuuyo_1.html)
将来性のある職場で働ける
社会福祉主事が担当する社会福祉の分野は、高齢化社会により将来的にさらに重要度の増す業界だと考えられます。そのため社会福祉主事の資格を取得しておくことで、社会から必要とされ、安定して働くことができるでしょう。
また、社会福祉主事の資格があると転職しやすくなるため、キャリアを考慮した転職や、自分のライフスタイルに合わせた転職などにも対応しやすくなります。
社会福祉主事から社会福祉士へ
社会福祉主事から社会福祉士へのステップアップしやすくなります。社会福祉士は国家資格のため、社会的な評価も高く転職やキャリアアップの際も有利に働くでしょう。
社会福祉士の受験資格を得るルートの一つとして、以下のすべてを経験する必要があります。
・社会福祉主事養成機関で2年学ぶ
・実務経験を2年積む
・社会福祉士の短期養成施設で学ぶ
社会福祉主事と合わせて社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っていると、活躍の場はさらに広がります。
就職先では医療ソーシャルワーカーや生活相談員などを担当し、福祉面でのサポートを仕事とします。社会福祉に関する相談を受け付け、適切なアドバイスを行うことが、社会福祉主事の役割となるでしょう。
まとめ
社会福祉主事は、公務員として社会福祉の仕事に携われる資格であり、一般の福祉事務所や施設でも、相談員として働ける、非常にニーズの高い資格の1つです。
人々の生活に寄り添い、支援する「社会福祉」の仕事に興味がある方は是非、社会福祉主事を目指してみでください。
社会福祉主事を目指すのなら、「京都医療福祉専門学校」への進学がおすすめです。2年間で社会福祉に関するカリキュラムが組まれているため、仕事に役立つ知識・技術を身に付けた上で就職を目指せます。
まずは「京都医療福祉専門学校」について、ホームページから詳細をチェックしてみましょう。
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