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2024
09
UPDATE

心理分野に関わる資格として、公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士の3つが代表的な資格です。

精神疾患の方の数が年々、増加傾向にあり、支援職の需要も高まっています。そこでこの記事では公認心理師の特徴や他の資格との違いについて詳しく紹介します。

1. 公認心理師って?

心の問題を抱えた人を援助する、心理職で唯一の国家資格になります。

2017年施行の公認心理師法によって、日本で初めて心理職の国家資格として誕生しました。

2.仕事内容は?

公認心理師は、心理的に問題を抱え支援を必要としているクライエント(相談者)に対してカウンセリングを行います。

クライエントの性格、家庭環境、学校、仕事・・様々な情報を収集し、抱えている心の問題をできるだけ正確に把握した上で、心理学を使って問題を分析します。

そして、クライエントの生活環境を考慮し、必要な心理療法を選び、助言や指導を繰り返しながら、問題が解決するまで寄り添います。

◆心理査定

クライエント(相談者)の自己理解や支援のために、面接や心理テスト、行動観察などを通じて相手の特性や問題の状況、課題を明らかにします。

◆心理支援

心理査定により明らかになったクライエント(相談者)の心の問題に応じて、様々な心理療法を行い、問題を解決します。

公認心理師の仕事の中で、一番中心的で大切な事です。

公認心理師側だけが、クライエント(相談者)の心の状態を理解するのではありません。

それより大切なことは、人にはもともと、自分で治す、自分で自分に寄り添う力があります。

クライエント(相談者)自身が自分の心の状態を理解し、自尊感情を取り戻して自己治癒できるように寄り添いながら、支援します。

3.公認心理師が働く場所って?

大きく分けると「5領域」と言われています。

①医療・保健領域(総合病院・クリニックなど)

②福祉領域(児童相談所・療育施設など)

③教育領域(学校・教育センターなど)

④産業領域(民間企業・公共職業安定所など)

⑤司法領域(家庭裁判所・少年鑑別所など)

 

公認心理師が働く場所は保健医療分野が最も多く、次いで教育、福祉と多岐に渡ります。

しかし、保健医療分野以外は契約社員での採用が多く、特にスクールカウンセラーなどは契約社員などの採用がほとんどです。

4.公認心理師と臨床心理士の違い

公認心理師が新しく出来る前は、心理職の資格といえば臨床心理士でした。

臨床心理士は「日本臨床心理士資格認定協会」によってできた民間資格で、国家資格ではありません。

小学校・中学校・高等学校などでスクールカウンセラーの資格要件として採用されるなど、世間には民間資格ですが認知度のある資格です。

公認心理師と臨床心理士を比較すると、次のような違いがあります。

公認心理師

公認心理師 7万1,435名(2022年時点)

主な受験資格  ・大学+大学院の卒業

        ・大学の卒業+2年以上の実務経験

試験内容    ・筆記試験のみ

資格取得後の更新  ・不要

臨床心理士

臨床心理士 3万9,576名 (2022年時点)

        ・大学+大学院の卒業

試験内容    ・筆記試験と面接試験

資格取得後の更新  ・必要(5年ごと)

(出典:一般社団法人日本公認心理師協会|公認心理師の活動状況等に関する調査、日本臨床心理士資格認定協会|臨床心理士とは)

 

厚生労働省の調査によると、公認心理師の有資格者のうち約70%の人が、臨床心理士の資格も取得していることがわかっています。

現段階では公認心理師と臨床心理士の2つの資格を持っている人がほとんどになります。

これから高校→大学→大学院と目指していく場合には、どちらがいいとまだはっきり言えませんが、国家資格であること、受験者数からしても公認心理師の方が増えていくことは間違いないでしょう。

5.公認心理師になるには?

公認心理師として働くには、国家試験に合格して、公認心理師資格を取得しなくてはなりません。

これから新たに大学や大学院に通って資格取得を目指す方の場合、次の3つの受験ルートがあります。

〈ルートA〉

4年制の大学または専門学校で所定の科目を修了したあと、大学院で所定の科目を修了した者

〈ルートB〉

大学で所定の科目を修了したあと、所定の施設(*)で2年以上の実務経験を積んだ者

〈ルートC〉

海外の大学において心理に関する科目を修了したあと、海外の大学院において心理に関する科目を修了した者(文部科学大臣および厚生労働大臣の認定が必要)

*…厚生労働省|公認心理師法第7条第2号に規定する認定施設

 

また「すでに心理職として働いている」「臨床心理士になるための大学や大学院に通っている」という方のために、特例措置として次の4つのルートも用意されています。

・特例措置ルート

〈ルートD〉

2017年9月15日(公認心理師法の施行日)以前に大学院に入学し、所定の科目を修了した者

〈ルートE〉

2017年9月15日(公認心理師法の施行日)以前に大学に入学し所定の科目を修了したあと、2017年9月15日以後に大学院で所定の科目を修了した者

〈ルートF〉

2017年9月15日(公認心理師法の施行日)以前に大学に入学し所定の科目を修了したあと、所定の施設(*1)で2年以上の実務経験を積んだ者

〈ルートG※2022年度で終了

所定の施設(*2)での実務経験が5年以上かつ週1日以上あり、現任者講習会(*3)を修了した者

 

*1…厚生労働省|公認心理師法第7条第2号に規定する認定施設

*2…日本心理研修センター|第5回公認心理師試験「受験の手引」実務経験証明書の分野施設コード一覧

*3…日本心理研修センター|現任者講習会について

6.精神保健福祉士と公認心理師の違いって?

精神保健福祉士も国家資格です。

精神保健福祉士も公認心理師も、人の心に寄り添い支援する仕事になり、そこに大きな違いはありません。

心に対してのアプローチがメインになる公認心理師に対して、精神保健福祉士は心の問題によって困難になった「日常生活」をサポートするのがメインになります。

障がいの影響で「日常生活」にどのような問題を抱えているのかを聞きだし、その問題を解決するための情報提供を行い、福祉サービスなどと結び付けます。

7.精神保健福祉士が働く場所って?

  • 医療・保健(病院・クリニックなど)
  • 福祉(児童相談所・放課後等児童デイ・療育機関・高齢者福祉施設・障がい者福祉サービス事業所・発達障害者支援センターなど)
  • 教育(小中高、各種学校、教育委員会など)
  • 司法・矯正(刑務所・家庭裁判所・少年院・鑑別所など)
  • 労働・産業(障がい者職業支援センターなど)

8.どちらを目指すのが正しい?

精神保健福祉士と公認心理師は、病院や福祉施設など同じ職場で働くことも多くあり、協力し合って支援していきます。

なので、どちらを目指すのが正しいかはありません。

取得するためにかかる学費も違いますし、自分がどういう形で相談者を支援していきたいかによって、取得する資格が違うのです。

そして、精神保健福祉士を検討中の方には京都医療福祉専門学校の心理メディカル科がオススメです。2年間で精神保健福祉士だけでなく社会福祉士の取得も目指せるため、就職活動もより有利に進めることができるでしょう。

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